La FinS|レストラン ラ・フィネス

コンセプト

料理

AUTODIDACTE(オトディダクト)

聞きなれない言葉だと思いますが、これが私の料理であります。

日本語では独学者。

誰か師事するシェフもなく、有名店のレシピを持つこともなく、ただ私がおいしいと思ったものを、自分がおいしいと思う状態に仕上げる。そのおいしいものを仕上げる基本がフランス料理なのです。

私にとってフランス料理は、まず熟成です。日本は新鮮=おいしい。というイメージが強いですが、フランスでは時間が経過したものほど、おいしくなるものがたくさんありました。みなさんご存知のワインやチーズや生ハムが代表的な例です。

では、ガストロノミーにおける熟成は、お肉であったり、魚であったり、野菜であるわけです。これには、最高の素材をいい状態で手に入れるところから始まり、早く清潔に処理することにより酸化、菌の付着を軽減して、熟成に持っていくことができます。そして、キュイッソンはお客様のオーダーまで生の状態で待ち、フライパンでしっかり焼きます。こうすることにより、素材は香りを高め、味が凝縮していきます。最近では柔らかさを優先しがちですが、私の料理では香りと味をメインにもってきているため、噛めば噛むほどおいしい料理になります。

あとフランス料理の醍醐味であるソースです。丁寧に取られたフォン・ド・ヴォ―やフォン・ド・ヴォライユをベースにしっかりと煮詰めて、大量の赤ワインや白ワインなどで仕上げます。ソースにはこのワインの酸味が不可欠で、こうして仕上げられたソースは、素晴らしいワインとのマリアージュを約束してくれます。

最後に料理の組み合わせですが、フランス人が聞いて絶対においしいと思うような組み合わせを心掛けています。ホワイトアスパラとモリーユのフリカッセやオマールエビと仔鳩のシヴェなど、古典料理を大切にしつつ、分解、再構築し、お皿を個性あるものに仕上げていきます。

テーブル数6卓という小さなお店ですが、お客様一人一人に満足していただけるように、スタッフ一同心がけています。

シェフ 杉本敬三
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